風水害対策①
ハザードマップによる
マンション周辺のリスク確認
台風・大雨に備える

目次
- 「水害」は人の被害をゼロにできる災害
- 01. 自宅周辺の「ハザードマップ」を確認する
- 02. 2種類のハザードマップをチェックする
- 03. 地域のハザードマップを直接見る
- 04. ハザードマップポータルサイトを使う
- 05. 重ねるハザードマップを使う
- 終わりに
「水害」は人の被害をゼロにできる災害
予知のできない地震や津波と異なり、大雨や台風は「いつ・どこに・どのくらい」の影響が生じるかを事前に知ることができます。
テレビやラジオ、スマートフォンやパソコンで天気予報を見るだけで、誰でも無料&手軽に情報を得ることができます。
さらに水害ハザードマップを確認すれば、台風や大雨が生じた際の被害についても想定することが可能です。適切な情報を得て、事前に避難を行うことができれば、水害による人的な被害はなくせるはずなのです。
一方で地球温暖化による海水温度の上昇により、近年においてはすでに大雨の頻度や規模の増大が生じていたり、将来においては台風の激甚化を招く可能性が指摘されていたりします。
マンションにおいて水害から命を守るための知識を紹介します。
01. 自宅周辺の「ハザードマップ」を確認する
水害対策は「ハザードマップ」の確認がスタートです。水害ハザードマップを見ることで、大雨や台風などの「自然現象」が生じた際に、自宅周辺でどのような「自然災害」が生じる可能性があるのかを知ることができますが、具体的には次のような種類のものがあります。
津波ハザードマップ | 大地震などの影響で、津波が発生した際に浸水が想定される区域と水深が表示されます。 |
高潮ハザードマップ | 台風などの影響で、海側から生じる高潮による氾濫が発生した場合に浸水が想定される区域と水深が表示されます。 |
洪水ハザードマップ | 大雨や台風などの影響で、河川が氾濫した際に浸水が想定される区域と水深が表示されます。 |
内水氾濫 ハザードマップ |
大雨や台風などの影響で、下水道や水路からの浸水が想定される区域と水深が表示されます。 |
ため池氾濫 ハザードマップ |
大雨や大地震などの影響で、ため池決壊が生じた場合に浸水が想定される区域が表示されます。 |
土砂災害 ハザードマップ |
大雨や大地震などの影響で、がけ崩れ・地すべり・土石流が想定される区域が、「土砂災害警戒区域・特別警戒区域」という2つの色分けで表示されます。 |
02. 2種類のハザードマップをチェックする
私達が気軽に閲覧できるハザードマップは2種類あります。
ひとつは自分の住んでいる自治体が作成している「地域のハザードマップ」、もうひとつは国土交通省が提供している日本全国の地図を見られる「重ねるハザードマップ」です。
いずれも大元になる情報は同じですが、地域のハザードマップには避難場所・避難所や、各種防災施設の情報が細かく掲載されています。
一方重ねるハザードマップには自治体の切れ目がないため、全国好きな地点を切り取って閲覧することが可能です。
更新のタイミングにより、掲載されている情報に差異が生じることがありますので、「どちらか」ではなく「どちらも」合わせてチェックすることが基本です。
またハザードマップは定期的に更新・追加されます。一度見て終わりにするのではなく、毎年年度が替わり水害シーズンに入る前に見直すような習慣をつけるようにしてください。
03. 地域のハザードマップを直接見る
自治体から紙のハザードマップや防災ガイドブックが配られていれば、その地図を確認してください。
紙の地図がなければ、スマートフォンやパソコンの検索で「○○市 ハザードマップ」などと検索すれば、自治体の該当ページからデジタル版の地図を閲覧できます。
04. ハザードマップポータルサイトを使う
国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」
からは、地域のハザードマップ・重ねるハザードマップの両方へアクセスすることができます。
「わがまちハザードマップ」は全国の自治体のハザードマップをまとめたリンク集です。「○○市 ハザードマップ」などと検索する代わりに、ここから任意の自治体のハザードマップを探すことができます。
「重ねるハザードマップ」は、スマートフォンかパソコンで使用できる、登録不要・無料で閲覧できる全国版のハザードマップです。
自宅の住所を入力するか、「現在地から探す」ボタンを押して地図を開くと簡単に最寄りの地図を表示することができます。
05. 重ねるハザードマップを使う
手軽にハザードマップを確認したい場合にオススメなのが、「重ねるハザードマップ」
です。
前述の「ハザードマップポータルサイト」から開くか、直接地図ページにアクセスして使用することもできます。
WEBアプリであるため、地図の拡大・縮小・移動が自由で、全国のハザード情報をシームレスにチェックすることができます。
自宅のマンションと学校や職場が別の自治体にある場合も、まとめて地図を確認することができます。また、旅行や出張などで出かけた際にも、現在地周辺のリスクをチェックすることができるなど大変便利です。
終わりに
水害対策の基本にして最重要なポイントは、自宅周辺のリスクを把握することです。
そのためには定期的にハザードマップをチェックすることが重要です。次回以降のコラムでは、ハザードマップの具体的な確認方法や、避難に関する情報を紹介します。
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