Project Story

最新=最高の
期待に応えたい
三井の最上級への挑戦

三井不動産レジデンシャルにより分譲されている、最上階はプライベートプール付きという注目物件の初代大規模タワーマンション所長を担ったのは、当時弱冠30歳、入社7年目の林孝俊だった。三井不動産グループが誇る高級マンションのなかでも、管理会社のゼネラリスト職が常駐する物件はほんのひと握り。その歴代所長としても群を抜いて若い林の挑戦の軌跡をご紹介しよう。

林 孝俊
レジデンシャル営業本部 第二統括支社 青山支店 営業課
2014年入社
  • ◆1年目(2014年)
    2014年4月入社
    千葉支店 営業課配属。配属以降、千葉県船橋エリアを中心に担当
  • ◆5年目(2018年)
    千葉にあるマンションの管理を受注し、マンションの専属担当となる。
  • ◆7年目(2020年)
    青山支店に異動。2021年から管理開始の新規タワーマンションの準備。同年、携わっていたマンションの管理が開始される。

名誉回復の奪還指令に挑む

千葉エリアの物件を管理していた林の大きな転機は5年目だった。
かつて複数の不動産開発会社が共同して建設した物件は、スタートこそ管理会社は当社と他の管理会社の2社合同だったものの、当社のみ外された苦い経緯があった。それがまた、管理組合から当社に「管理会社のリプレイス(管理会社変更)を再検討したい」とプレゼンのオファーがあったのだ。千葉支店に当時の担当者はいなかったものの、即座に準備に取り掛かった。
さっそく、林を含む数名でチームを組んだ。なかでも現地の常駐担当者に任命され、かつプレゼン担当となり、リベンジが託された。プレゼンの準備を入念に行い、本番に臨んだ。
「三井の管理の強みをわかりやすく説明しただけですが、価格も安心感もサービス面でも当社が優れていたと自負しています。既存の改善点を挙げ、その後、掲げた〝公約〟を守るのは相当大変でした。」と話す。
そう、最後は三井ともう1社による2社のプレゼンの結果、当社の提案が居住者に認められたのだった。
これまでの実績が2年後、三井不動産レジデンシャルが建設した注目のタワーマンションの初代担当者に選ばれる大抜擢へとつながっていく。

千葉支店から青山支店の
新規物件の担当へ

2020年8月。社内でもタワーマンションや高級物件が多い青山支店に異動。これまでの経験が評価され、新規管理が開始されるタワーマンション担当に大抜擢される。
以前担当したマンションと世帯数は近しかったが、圧倒的に違う点がエリア特性だ。ずっと千葉エリア担当だった林にとっては未知の世界。まずは支店内の高級マンションをあちこち回り、そのサービス内容や品質をリサーチして歩いた。
できる限りの準備をしつつも一つだけ、覚悟しておかなければならないことがあった。
それは、「一番新しい物件だからこそ、どこよりも最上級でなければならないということ」。つまり、既存を知るだけでは学べない、新しいチャレンジということだ。
しかも担当する物件には今まで担当してきたマンションにない付帯施設やサービスも多かった。例えば、居住者専用のバーラウンジ、フィットネスルーム、ミニシアター、ゴルフシミュレーターなど。一つひとつがホテル並みの仕様でサービス品質にもホテルライクなこだわりが求められた。
初代担当として、サービス品質をイチから作り上げていく経験はそうそうできるものではない。「まだ、誰も見たことのない高品質を」と胸は高鳴った。

三井と三井が比較される
初めての体験

居住者の中には、三井から三井へ〝リハウス〟する方も多数おり、必然的に『最新=最高』と独りでに管理に対する期待値が上がる。
1ミリのごまかしもきかない緊張感のなか、一番苦労したのはやはりサービス品質に直結する人材育成の部分だった。
コンシェルジュとライフサポーター(管理員)は、他のマンションでの経験が豊富な社員を中心に配置した。フレッシュな新人もバランス良く配置しないと新鮮な意見が出てこない不安もある。そこで、経験の浅いメンバーは事前に既存の高級マンションにて研修を行いつつ、現地にはサービス品質部門のインストラクターに来てもらい、徹底的に接客マナー指導をしてもらった。
ホテルライフに近い、ホテル品質のおもてなしを実現したい。居住者には何がなんでも「前のマンションの方が良かった」とだけは言わせたくない。

最上級の
おもてなしプロジェクト

管理がスタートした2021年。コンシェルジュ、ライフサポーター、警備員、清掃スタッフ等、計30名を超えるスタッフを束ねる現場責任者として着任した。慣れないコンシェルジュの対応に「お叱りを頂戴すること」もあったが、林が居室まで謝罪に訪ねると「対応が早くて良い」と大事に至ることはなかった。
ただ、スタート時、居住者からの問い合わせが多く、課題はすぐ浮き彫りになった。スタッフ間の情報共有だ。
居住者が「スタッフの誰かに言った」ことが全員の共有事項になり、スムーズに担当に引き継がれる仕組みづくりには苦労した。つまり、担当ではない警備員が駐車場の出庫を頼まれても、すぐに担当のスタッフに伝わり、さらにほかのスタッフ全員も「○時○分に○号室○○様の車の準備」が必要なことを把握できる連携プレーが必要だった。
広い館内で、持ち場もバラバラのスタッフが一つの情報をタイムリーに共有するのはなかなか容易ではない。早急にルールを整備し、情報共有シートによる引き継ぎの徹底を図る。それでようやく、居住者が求める「スタッフは全員知っていて当然」をスタンダードなおもてなしに組み入れることに成功した。
居住者アンケートの評価も概ね好評で10段階評価で半数近くが10点満点。「住んで良かった」「前の三井のマンションよりいい」と一番欲しかった言葉をもらうこともできた。
「お客様からお褒めの言葉をいただけるのは大きな励みです。一方で管理が行き届いていない部分には非常に厳しく、きちんと見て評価してくださっているのがよくわかります。スタッフに労いの言葉をいただくとき、スタッフ一丸となって、誠心誠意やってきてよかったなと感じます。この最上級のおもてなしを実現するチームを作れたことが、今回の私の一番の功績だと思います」。

今後も「前の方が良かった」とは言われたくないプレッシャーとプライドがある。次もまた目指すのは、三井の最上級。そして、夢は「マンション管理業界全体の地位向上」だ。例えば、三井不動産レジデンシャルのブランド力に頼ることなく、「管理が三井だから、この物件を買おう」と管理会社で選ばれることが目標だ。
「結局、管理は〝人〟による部分が大きいです。サービス品質、ホスピタリティをいかに高めていくか。それが〝三井のマンション管理〟を担う私たちの使命です」。

<完>

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