理事会&総会とは?
区分所有者の意思を統一し決定するのが総会です。総会で決定された事項を実施し、その他管理組合の運営に必要な業務を遂行していく機関が理事会です。管理組合の核ともいうべき理事会と総会について説明します。
管理組合の役員
管理組合の組織は区分所有者全員を構成員とし、総会※で決議された管理業務を執行する「理事会」、管理組合業務を監査する「監事」が置かれます。そして、理事や監事が管理組合の役員となります。
役員に関する事項については、区分所有法では特に規定されていませんので、通常は管理規約で定められています。
※区分所有法では「集会」となっていますが、国土交通省の標準管理規約では「総会」と称しています。
管理組合の業務遂行機関「理事会」
理事会は、多くの場合、区分所有者の中から選任される理事で構成されています。なお、理事長等、役職ごとの役割は次のとおりです。
理事長
理事長は管理組合を代表し、その業務の統括を行います。また、理事長は区分所有法で定める「管理者」であることが一般的です。管理者である理事長は総会で決議されたことを実行し、管理規約で定められた行為を行う法律上の権限があり、義務を負います。
副理事長
副理事長は理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行います。
理事
理事会の構成員です。理事は、理事会に出席し、管理規約で定められた事項の審議に参加します。管理組合によっては、管理組合業務の各項目について理事がそれぞれ担当している場合もあります。
区分所有法第35条(招集の通知)
集会招集の通知は、会日よりも少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。
管理組合の監査機関「監事」
監事は、管理組合の会計および理事会の業務状況について監査および報告をする役割を担っています。通常、1人または数人の監事が管理組合に置かれます。
ただし、監事は理事会の構成員でないため、理事会に出席して意見を述べることはできますが決議に加わることはできません。管理組合の業務の執行および財産の状況に不正があると認められた場合は、臨時総会を招集することができます。
また、総会前に管理組合の業務の執行および財産の状況を監査し、総会時にその報告を行います。
管理組合の仕組み
総会
総会には「通常総会」と「臨時総会」があります。毎年1回定期的に開催させるのが通常総会(定期総会)であり、ここでは管理組合の決算・活動報告、予算の審議や役員の選任等について決議が行われます。それに対し、文字どおり臨時に開催されるのが臨時総会です。
総会は、理事長(管理者)が招集するのが原則であり、理事長は少なくとも毎年1回通常総会を招集しなければなりません。
原則として、総会での議事は区分所有者および議決権の過半数で決議されますが、区分所有法で別段の定めがある場合もあります。また、組合員は書面または代理人(委任状)によって議決権を行使することもできます。この議決権は、一般的な管理規約では「組合員が所有する住戸1戸につき1議決権」となっていますが、専有面積に応じて議決権を定めている管理規約もあります。
区分所有法第39条(議事)
第39条 集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。
2 議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。
3 区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)によつて議決権を行使することができる。
総会の決議要件
区分 | 決議要件 | 決議事項 |
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普通決議 | 出席議決権の過半数 |
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特別決議 |
組合員総数および議決権総数の4分の3以上 |
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組合員総数および議決権総数の5分の4以上 |
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以上のように、区分所有法や標準管理規約にて総会における議決方法等については定められていますが、各マンションによって管理や使用の方法は異なります。