Project Story

住民主体の
「街そだて」を支える。

かつて、世界中からアスリートが集まった海辺の一角に、いま新しいくらしが生まれている。分譲・賃貸マンション、商業施設、そして広場や防災・エネルギー設備まで――。生活に必要な機能が「ひとつの街」に凝縮された、大規模プロジェクト。その舞台裏で、管理会社3社と住民の皆様、自治組織、店舗、行政が連携しながら取り組んでいるのが「街そだて」だ。今回は、その最前線に立つ3人。エリアマネジメント事務局タウンマネージャー、街全体を束ねるフロントマネージャー、分譲街区を支えるフロントマネージャーに、それぞれの挑戦の軌跡を語ってもらった。

林 佑香
湾岸支店 営業課 | 2016年入社

千葉支店のフロントマネージャーとして経験を積んだのち、戦略営業部で各支店をサポートする立場として、業務推進に携わる。現在は、HARUMI FLAGのエリアマネジメント組織の事務局として、イベント・サークル活動の企画運営サポートを担っている。

CAREER PATH
  • 1年目(2016年)
    千葉支店 営業課 フロントマネージャー
  • 5年目(2021年)
    戦略営業部 戦略営業課に配属。
    業務推進を担当。
  • 7年目(2023年)
    湾岸支店 HARUMI FLAG事業所へ配属。
    エリアマネジメント事務局タウンマネージャーを担当。
島田 慎太郎
湾岸支店 営業課 | 2020年入社

千葉支店のフロントマネージャーとして経験を積んだのち、現プロジェクトへ。街全体を束ねる全体団地管理組合の運営や、街全体で共通するサービスの企画・調整に携わる。

CAREER PATH
  • 1年目(2020年)
    千葉支店 営業課 フロントマネージャー
  • 4年目(2023年)
    湾岸支店 HARUMI FLAG事業所へ配属。
    全体管理組合のフロントマネージャーを担当。
玉川 雄大
湾岸支店 営業課 | 2021年入社

築年数の古い中小規模マンションのフロントマネージャーからキャリアをスタート。現在は、大規模街区のフロントマネージャーとして、駐車場等の大型共用施設の管理から理事会・総会運営まで、日々のくらしを支える現場の最前線を担う。

CAREER PATH
  • 1年目(2021年)
    東京東支店 営業課 フロントマネージャー
  • 3年目(2023年)
    湾岸支店 HARUMI FLAG事業所へ配属。
    分譲街区のフロントマネージャーを担当。

※所属は取材当時のものです。

3人が紡ぐ「街そだて」

海沿いに広がる大規模な住宅街区。
分譲・賃貸マンション、商業施設、そして広場や防災・エネルギー設備までを抱えたこの新しい街には、いま、約4,100世帯超が暮らし、最終的には1万人を超える規模の生活が営まれる。
その「裏側」で街を動かしているのが、三井不動産レジデンシャルサービス(以下、当社)を含む管理会社3社と住民組織、店舗、行政など、数多くの関係者たち。当社でその中心を担っているのがこの3人である。

玉川

建物の日常管理は街区のフロントマネージャーである私が担当しています。島田さんは、街全体で共通して行っている「全体団地管理組合」のことを主に担当。そして林さんは、街全体のコミュニティをどう育てていくか、イベントやサークルを通じて『人と人のつながり』の部分を担当するタウンマネージャーという役割を担っています。

私は幼い頃からスポーツ少年団の活動をしていて、スポーツを通じて全国や海外の人とつながることが楽しみでした。世界的なスポーツ大会のボランティアにも参加して、選手や仲間たちの思いに触れる貴重な経験もできました。その経験や力を、その縁ある街で活かしたいと思い、この街のエリアマネジメント事務局に手を挙げました。

島田

私の場合、今回がキャリアの中で初めての異動で。しかも現場は当社の中でも最大規模レベル!不安は大きかったですが、『こんな大規模プロジェクトで、しかも最初の担当になれることって、この先あるかな』という気持ちもあり、すぐに覚悟を決めました。

玉川

私はそれまでの東京東支店で、比較的小規模な物件をメインに担当していました。なので担当することが決まった際には、スケールの全く違う現場にとても驚いたことを覚えています。
エリアの中には複数マンションがあり、そのすべての日常管理を私が担当することになるため、着任してから暫くは、とにかくマンションの管理規約をひたすら読み込み、自分の中にインプットする毎日でした。

HARUMI FLAGの中でも、一番初めにプロジェクトが開始したのがエリアマネジメントだったため、立ち上げ当初は、HARUMI FLAGに関わるプレイヤー自体が私一人で、支店長に相談しながら進めていく、という感じでした。なので、立ち上げメンバーが揃った時はすごく心強かったです。ようやくプロジェクトチームとして本格稼働したのは、街に住民の皆様が入居を開始する2カ月前でした。

「街のしくみ」を
ゼロからつくる

玉川

この街の特徴のひとつが、管理組合の構成です。一般的なマンションでは一つの管理組合があって、その中ですべて完結するケースが多いですが、この街の場合、全体団地・街区・棟のそれぞれに管理組合が存在する三重構造になっています。加えて各街区は別の管理会社が担当していて。一つの街の中に、複数の管理組合と管理会社が存在しているとても珍しいケースなんです。私は三井不動産レジデンシャルが開発した分譲マンションが集まる街区の管理組合を担当するフロントマネージャーです。

その複雑な構造の中で、誰にとってもわかりやすく、住みやすい街にすること。
それもまた、この街の「しくみ」をつくるフロントマネージャーの仕事でした。
例えば、掲示物やサインの計画では、文字情報だけに頼らず、ピクトグラムを積極的に採用しました。
オリンピック選手村として使われた街の名残もあり、海外から訪れる方が多いことを前提に、言語に依存しない伝え方を重視したからです。
また、掲示物やサインの表現が街区ごとにバラつかないよう、管理会社3社で協力してデザインのルールを検討・作成したことも、立場や考え方の違う関係者と一つの正解をつくっていく、他では味わえない経験となりました。
特に外国人居住者や高齢者など、多様な利用者を想定し、本当に伝わるかどうかを現地で何度も検証しましたね。実際に歩き、迷うポイントがあれば修正する。そんな地道なテストを繰り返しながら、少しずつ街の「わかりやすさ」を形にしていきました。

島田

玉川さんが担当する街区全体の管理組合の代表者により、街全体のコンシェルジュサービスや植栽管理、ネットワーク環境など、「どの街区でも共通で提供されるサービス」をまとめているのが、私の担当する全体団地管理組合です。
当社を含めた3社の管理会社が担当する各街区ごとに、サービスの内容や品質に差が出ないようにするため、街全体で統一してマネジメントしていくことを目的に組織されています。その全体統括を任されたのが当社です。
複数の管理会社がいる中でのサービス統一化は簡単ではなく、他の管理会社が管理する街区にも伺い、各社の管理組合のルールを覚えながら、研修・調整していくことにとても苦労しました。それぞれの街区の思いを尊重しながら、高品質なサービスを街全体に届けられるよう、今でも毎週3社で定例会を開き、情報共有を図りながら進めています。
担当に就任した当初は、スケールの大きさにプレッシャーもありましたが、マンション管理業界のリーディングカンパニーとして、街全体の運営と調整をサポートできることに、今では誇りを感じていますね。

私が担当するエリアマネジメントは、2人が担当する管理組合運営とは異なり、街全体のコミュニティ形成をサポートする位置づけです。住民の皆様や街の店舗、運営者との連携などを意識しながら、『街そだて』を実行する主体としてコミュニティ組織を支援する事務局を担っています。
立ち上げ当初はまだ未入居の状態。コミュニティ内のルールや予算案、初年度のイベント計画を策定するなど、ほとんど前例のない中で、かつ入居後のことを想像しながら作り上げていくことはとても大きな挑戦でした。直接住民の皆様にもお会いできないので、商業施設の方や、この街に関わる様々な方に会いに行き、『将来こんなことを一緒にやってみませんか』と意見を聞き回っていましたね。

コミュニティが動き出す。
そこからが本番。

住民専用ポータルサイトなどを利用して、入居前から『オンライン挨拶会』を開催したり、入居後は対面の『トークカフェ』で住民の皆様同士が自己紹介し合ったりする場をつくっていきました。例えば、『この街で何かやってみたい人』を集めた『アクションカフェ』を開いたところ、そこからスポーツや子育て、グラン世代向けのサークルなど、次々とサークルが立ち上がり、今ではサークル数は35にまで増えました。立ち上げた人がリーダーとなるルールで、回数を重ねるうちに周囲からも自然と運営をサポートしていただけるようになり、楽しそうな活動報告がたくさん届いています。
最初の1年間、私たちが企画して動かしてきたことが、少しずつ“自走するコミュニティ”に成長しているんです。今では、住民主体の推進委員会もできて、住民の皆様がイベントを企画運営したり、サークル運営をしています。それらの活動に寄り添い、住民一人ひとりの想いを形にできるように、サポートする役割を担っています。

島田

私も林さんの補佐として、イベント運営のお手伝いなどもしてきました。また、様々なサークル活動などの上位組織に全体団地管理組合が存在するため、活動予定の時間や場所、内容や予算の面など、理事会に説明して承認を得ることも私の役割です。
ただ、多くの活動がある中で、理事も“自分の街のこと”と捉え考えていただける方が多いため、理事同士が自身の言葉で他の方に説明してくださる場面も増えてきました。住民主体で意見を出し合いながら、前向きに検討していただく。そういう運営サポートができているように感じています。

玉川

私の場合、日常業務としては、共用部分の点検・清掃の管理、管理員やコンシェルジュの統括、お客様からのお問い合わせ対応といった、いわゆるフロントマネージャー業務を担っています。
ただ、この街で特徴的なのは、街全体で50を超える共用施設をマネジメントしている点です。
通常のマンションでは、共用施設や地下駐車場は棟ごとに完結していることがほとんどですが、ここでは街区を越えて地下駐車場がつながっているなど、この街ならではの特別な設備が数多く存在します。
その分、突発的なトラブル対応が発生することもありますが、こうした特徴的な環境で、日々の運営からイレギュラー対応まで幅広く関わりながら、街全体の快適さを支えていく。
そこに、これまでのフロントマネージャー業務とはまた違った面白さを感じています。

島田

そうですね。この街ならではのしくみは、エネルギーや防災の面にも表れています。
全棟の屋上に設置された太陽光パネルや、水素設備、非常用発電機、防災備蓄倉庫など、街全体で一体的に管理・運用している設備が多いのが特徴です。
こうした設備は、普段は意識されにくい「見えない部分」ですが、街の価値や安心を支える重要な要素でもあります。そのため、全体団地管理組合の総会では、太陽光や水素エネルギー、防災設備の運営についても議題に上がります。
設備自体が新しく、大きな費用もかかるものが多いので、「なぜ必要なのか」「どんな仕組みで動いているのか」といった前提から、できるだけ噛み砕いて説明することを意識しています。
住民の皆様に納得して判断していただくための準備は大変ですが、街の将来を支える意思決定に関われている実感がありますね。

玉川

そうした特別なエリアに住んでいるという意識を、住民の皆様自身も強く持たれていると感じます。
メディアの取材やイベントも多く、「ここに住んでいるからこそ、何か新しいことに挑戦したい」という声をいただくことも少なくありません。
だからこそ、『ここまでで十分』ではなく、『こんなこともできないか』という視点を大切にしています。
管理会社としては、住民の皆様の「やってみたい」という思いを受け止めつつ、設備や安全面のリスクを一つずつ整理しながら、実現に向けて支えていく。そんな役割を担っている感覚ですね。

最初の総会は、数百人規模の参加が想定されていたから、エリア内の小学校の体育館を借りて開催したよね。

島田

そうでしたね。対面で来られない方にも内容が伝わるよう、事前に質問を受け付けて回答を配布したり、業界でもまだ珍しかった投票システムを導入したりしました。
新しい仕組みを取り入れるのは簡単ではありませんでしたが、これだけ大きな街で、多くの方が関わる意思決定を支えるためには必要な工夫だったと思います。
自分たちが整えたしくみが、この街の運営を下支えしていると感じられた出来事でした。

「住民主体で
成長し続ける街」に向けて

活動が始まってから約3年が経ちますが、「街そだて」はまだまだこれからです。理想は、「住民主体で成長し続ける街」。マンションや街は、年数が経つとどうしても理事の担い手不足などの課題が出てきますが、住民主体で動き続けることができれば、衰退していかないはずだと考えています。そのためにも、住民の皆様が『自分たちの街』として新しいことに挑戦し続けられるよう、これからもサポートしていきたいです。

島田

4,000世帯以上が、さまざまな街区・棟で暮らしている状況の中で、一つひとつの物事を議論し決めていく。そのために私自身、大きく視野を広げ、取り組んできました。今回、「維持する」だけでなく、「新しいことをどうつくるか」という視点を持てたことも、大きな成長だと感じています。ここでの経験は今後、どんな部署・どんな役割を担うことになっても活きるはずです。
この街で最後のマンション建設となるタワー棟は2025年の秋に竣工したばかりです。この街で、大規模な建物が竣工を迎えることは、まだ決してゴールではありません。むしろ、何千人ものくらしが始まるスタートラインが整ったところです。これから直面するであろう多くの課題に向けて、引き続き合意形成をサポートしていきたいと思っています。

玉川

私もこのプロジェクトでは、複数の管理会社や関係企業との調整、管理組合運営の立ち上げ、お客様対応など、本当に幅広い業務を経験させてもらっています。その中で、多様な関係者をまとめる「調整力」、正解のない課題に向き合う「問題解決力」、そして街全体を見渡す「計画力」。この3つは、かなり鍛えられた実感があります。
将来、この街は国内最大級の『街そだて』のモデルケースとして価値を高め、ブランドとして確立されていくはずです。そのためにも私自身は『お客様満足度の最大化』を目指して、さらにチャレンジを続けていきたいと思っています。


<終>

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